#94. ロリン・マゼール
指揮者
2013年4月18日 サントリーホール



指揮界の巨匠ロリン・マゼールが2014年7月13日アメリカのバージニア州の自宅で逝去。84歳。この指揮写真は昨年4月ミュンヘン・フィルを率いて来日した時のものである。1930年アメリカ人の両親のもとパリで生まれた。4歳でピアノを、5歳でヴァイオリンを始める。8歳で指揮者としてデビューした神童。アメリカの主要オーケストラを10代半ばまでにほとんど指揮する。15歳から23歳まで大学で哲学と数学を学ぶためにブランクがある。しかし、大学在学中もヴァイオリンの勉強は続けていた。1953年ヨーロッパ・デビュー以降ベルリン交響楽団、ベルリン・ドイツ・オペラ芸術監督、ニューヨーク・フィル、ピッツバーグ交響楽団、クリーブランド管弦楽団、バイエルン放送響、ミュンヘン・フィルの音楽監督、ウィーン国立歌劇場ジェネラルマネージャー・芸術監督・首席指揮者を務める。1960年にはバイロイト音楽祭史上初のアメリカ人指揮者として招かれ、「ローエングリーン」を振り大成功を収める。1963年日生劇場の杮落としでベルリン・ドイツ・オペラと来日し、「トリスタンとイゾルデ」を振る。田崎真珠の委嘱で、ブラウニングの詩に作曲した「A Pearl A Girl」を東京で初演。またロストロポーヴィチのために「チェロと管弦楽のための音楽」、ゴールウェイに「フルートと管弦楽のための音楽」、自分のために「ヴァイオリンと管弦楽のための音楽」を作曲している。ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートの出演は11回を数え、ヴァイオリンの弾き振りも披露する。東響、N響など日本のオケも指揮している。2010年の大晦日には東京でベートーヴェンの交響曲全9曲を一人で指揮する。2012年9月ミュンヘン・フィルの音楽監督に就任。2013年の来日前のインタビューで、各国の楽団は予算の削減に苦しんでいるが文化の重要性をどう訴えるか、と問われ、「政治家は芸術の現場で仕事をしているのが音楽家だけではないことに気付く必要がある。何百万という人が劇場およびその周辺の機関で働いている。芸術は雇用を生むのです。」と、また「何より芸術がなければ、人間は前に進めない」と述べている。幼少時の鋭い視線で指揮する写真があるが、2013年の来日時の指揮する視線も変わらずに強かった。

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林 喜代種 Kiyotane Hayashi
東京都日野市在住。80年代初めより現在までクラシック音楽を撮影。一時フォーク・ロック・ジャズ・ 民族音楽も。いま、落語・文楽に興味。(社)日本写真家協会会員。

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