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#96. ルドルフ・ビーブル
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半世紀にわたり門外不出のオペレッタの夢のステージが世界初の引っ越しガラコンサートを行った「メルビッシュ湖上音楽祭」。
その祝祭管弦楽団の指揮をしたのが今年85歳のオペレッタ指揮の巨匠ルドルフ・ビーブルである。メルビッシュ湖上音楽祭とはオーストリアとハンガリーの国境にあるノイジトラー湖のほとりメルビッシュで行われる半世紀の歴史を誇るヨーロッパを代表するオペレッタ・フェスティバルである。第1回は1957年。1978年までウィーン国立歌劇場の歌手ヘルベルト・アルゼンが構想し芸術監督を務めた。その後何人かの芸術監督を経て、1993年ウィーン・フォルクスオーパーで活躍したバリトンのハラルト・セラフィンが総監督に就任。翌年には指揮者、音楽監督がフォルクスオーパーのルドルフ・ビーブルに固定され、音楽祭専用のオーケストラが編成された。それが今回初来日したメルビッシュ祝祭管弦楽団である。2008年にはビーブルが、セラフィンも2012年に勇退し、ソプラノのダグマール・シェレンベルガーが就任。今回来日し歌っている。ビーブルは1973年ウィーン・フォルクスオーパーに呼ばれオペラも指揮したが、ここの質のよいアンサンブルでオペレッタをメインにする指揮者が必要であると主張し、オペレッタを中心に指揮するようになる。水準の高いオペレッタをフォルクスオーパーで作っていたのは大変楽しい仕事だったと語っている。最初に指揮したオペレッタは『こうもり』だった。オペレッタの音楽は素晴らしく、モーツァルトと比べても決して劣るものではない、と。また「多くのオペレッタに言えるのは、大切なことは楽譜に書かれていないことです。これは伝統と大きな関わりある。私が指揮したプロダクションは別の人が指揮すると全く別の作品になってしまいます。オペレッタの音楽の楽しみを伝えることを最優先に指揮をし、自分の大好きな作品として取り組んできた。そうでなければうまくいきません。」とも語る。ビーブルの指揮はウィンナ・ワルツ独特の三拍子をふんだんに聴かせて観客をしびれさせ、そのテンポの良さで心を浮き浮きさせる。そして50曲ものオペレッタを暗譜しているという伝説の指揮者である。ビーブルは2015年には1月にフォルクスオーパーと来日し、東京をはじめ各地でニューイヤー・コンサートを指揮する。最後の来日となるらしい。一方9月にはメルビッシュ湖上音楽祭のオペレッタ『こうもり』の世界初の引っ越し公演がある。これにビーブルが指揮するかどうかは不明。期待したいと思う。
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林 喜代種 Kiyotane Hayashi
東京都日野市在住。80年代初めより現在までクラシック音楽を撮影。一時フォーク・ロック・ジャズ・ 民族音楽も。いま、落語・文楽に興味。(社)日本写真家協会会員。
追悼特集
ポール・ブレイ Paul Bley
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#1277『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』(ピットインレーベル) 望月由美
#1278『David Gilmore / Energies Of Change』(Evolutionary Music) 常盤武
#1279『William Hooker / LIGHT. The Early Years 1975-1989』(NoBusiness Records) 斎藤聡
#1280『Chris Pitsiokos, Noah Punkt, Philipp Scholz / Protean Reality』(Clean Feed) 剛田 武
#1281『Gabriel Vicens / Days』(Inner Circle Music) マイケル・ホプキンス
#1282『Chris Pitsiokos,Noah Punkt,Philipp Scholtz / Protean Reality』 (Clean Feed) ブルース・リー・ギャランター
#1283『Nakama/Before the Storm』(Nakama Records) 細田政嗣
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JAZZ RIGHT NOW - Report from New York
今ここにあるリアル・ジャズ − ニューヨークからのレポート
by シスコ・ブラッドリー Cisco Bradley,剛田武 Takeshi Goda, 齊藤聡 Akira Saito & 蓮見令麻 Rema Hasumi
#10 Contents
・トランスワールド・コネクション 剛田武
・連載第10回:ニューヨーク・シーン最新ライヴ・レポート&リリース情報
シスコ・ブラッドリー
・ニューヨーク:変容する「ジャズ」のいま
第1回 伝統と前衛をつなぐ声 − アナイス・マヴィエル 蓮見令麻
音の見える風景
「Chapter 42 川嶋哲郎」望月由美
カンサス・シティの人と音楽
#47. チャック・へディックス氏との“オーニソロジー”:チャーリー・パーカー・ヒストリカル・ツアー 〈Part 2〉 竹村洋子
及川公生の聴きどころチェック
#263 『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』 (Pit Inn Music)
#264 『ジョルジュ・ケイジョ 千葉広樹 町田良夫/ルミナント』 (Amorfon)
#265 『中村照夫ライジング・サン・バンド/NY Groove』 (Ratspack)
#266 『ニコライ・ヘス・トリオfeat. マリリン・マズール/ラプソディ〜ハンマースホイの印象』 (Cloud)
#267 『ポール・ブレイ/オープン、トゥ・ラヴ』 (ECM/ユニバーサルミュージック)
オスロに学ぶ
Vol.27「Nakama Records」田中鮎美
ヒロ・ホンシュクの楽曲解説
#4『Paul Bley /Bebop BeBop BeBop BeBop』 (Steeple Chase)
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#70 (Archive) ポール・ブレイ (Part 1) 須藤伸義
#71 (Archive) ポール・ブレイ (Part 2) 須藤伸義
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#871「コジマサナエ=橋爪亮督=大野こうじ New Year Special Live!!!」平井康嗣
#872「そのようにきこえるなにものか Things to Hear - Just As」安藤誠
#873「デヴィッド・サンボーン」神野秀雄
#874「マーク・ジュリアナ・ジャズ・カルテット」神野秀雄
#875「ノーマ・ウィンストン・トリオ」神野秀雄
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