いま世界で最も注目されている指揮者の一人であるエストニア出身のパーヴォ・ヤルヴィ。彼が２０１４年１２月にドイツ・カンマー・フィルと来日し、＜ブラームス・シンフォニック・クロノロジー＞と題して演奏会を行った。ブラームスの４つの交響曲を、ツィクルスを通して「作曲家がそれぞれの作品の創作の中でどのように発展を遂げたか、あるいは新しい方向性を見出したか」を知ることが出来る、と語る。パーヴォ・ヤルヴィは多くの作曲家のツィクルスを行ってきた。「迷いなく力強いベートーヴェン、開放的で感情の起伏も激しいシューマン、そしてそれに続くブラームスのシンフォニー４曲は一つ一つが聖像のような存在感を持つ作品です」と語る。４つの交響曲に加え壮大なスケールの協奏曲も創作順に演奏された。２００４年よりドイツ・カンマー・フィルの芸術監督となり、ベートーヴェンの交響曲演奏での評価は高い。２０１３年にはボンと横浜でベートーヴェンのオペラ『フィデリオ』を上演し話題を呼ぶ。音楽家の家庭で、名指揮者ネーメ・ヤルヴィは父親である。また弟も指揮者として活躍している。
パリ管弦楽団の音楽監督を務めているが、２０１５年秋からNHK交響楽団の首席指揮者に就任予定である。それに先立ちパーヴォ・ヤルヴィはこの２月にはN響でマーラーの『交響曲第１番巨人』を指揮する。

　 　 　

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