高関健は２０１５年４月創立４０周年を迎えた東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の常任指揮者に迎えられた。第２８８回定期演奏会はその就任披露演奏会である。高関健が語るように、これまで札幌、群馬、大阪、広島など地域に根差したオーケストラと共に活動してきた。今回、毎日多くのホールで熱演が繰り広げられている東京でその実力を発揮することになった。｢作曲家の真意を探り、作品の本質に迫る演奏を心掛けたい｣と抱負を語っている。その意気込みは、この日の常任指揮者就任披露公演の演目、スメタナの連作交響詩『わが祖国』の指揮で早速発揮された。聴衆はオーケストラから今までと違う熱気を感じとった。高関ならではの引き締まった音創りに早くも魅了されていたのが印象的だった。高関健は桐朋学園在学中の１９７７年にカラヤン指揮者コンクール・ジャパンで優勝し、ベルリン・フィル・オーケストラ・アカデミーに留学。１９８５年までカラヤンのアシスタントを務めた。１９８１年タングルウッド音楽祭でバーンスタイン、小澤征爾らに指導を受け、ベルゲン交響楽団でヨーロッパ・デビュー。１９８４年ハンス・スワロフスキー国際指揮者コンクール優勝を経て、１９８５年日本フィル定期公演で日本デビュー。オペラでは新国立劇場公演『夕鶴』、大阪カレッジ・オペラ『ピーター・グライムス』の指揮で好評を博す。用意周到に楽譜を読み、演奏スタイルにもこだわりがある。今期１３定期公演中６回高関健が指揮する。

　 　

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