♩9/29 フィル・ウッズ逝く
70年代の“ジャズ喫茶の雄”のひとり、アルトサックスのフィル・ウッズが
ペンシルヴァニア州イースト・ストラスバーグで肺気腫のため死去。享年83。ウッズは9月4日に開催されたチャーリー・パーカーの『ウィズ・ストリングス』アルバムのトリビュート・コンサートに出演、現役引退を表明したばかりだった。
ウッズはレニー・トリスターにインプロヴィゼーションを、ジュリアード音楽院で作曲技法を学んだ逸材で、バードに強く影響されながらも独自のヴォイスを見出して幅広い活躍を展開した。1968年フランスで結成した「ヨーロピアン・リズム・マシーン」はよく知られる。
彼が参加したミシェル・ルグランのアルバム『イメージズ』(1975年)、『ショーボート』(1976年)はグラミーを獲得したが、ウッズの活躍はジャズ以外にも及び、ウッズがソロをとった<素顔のままで>でビリー・ジョエルはグラミーの2冠を制(1977年)し、ポール・サイモンやスティーリー・ダンのアルバムにも参加した。
2007年にはNEAのジャズ・マスターにも推挙され、晩年は大学で後進の指導にもあたることが多かった。
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♩10/01 米『ジャズ・インサイド・マガジン』刊行
NYを中心に全米のジャズ情報を網羅する『ジャズ・インサイド・マガジン』の
10月号(Volume:7 Issue:3)のカバーストーリーは、東京ジャズにも出演した「FOURPLAY」。ハーヴィー・メイソン(ds)、チャック・ローブ(g)、ボヴ・ジェームス(p)、ネイサン・イースト(b)からなる「FOURPLAY」は結成25周年を迎え新作『シルヴァー』(Concord)をリリース。インタヴューは他に「スパイロ・ジャイロ」の創設者でサックス奏者のジェイ・ベッケンスタイン、ピアニストのオスカー・ペレスなど。CDレヴューはランディ・ブレッカーの新作他。
同誌のフリーダウンロードは;
http://jazzinsidemagazine.com/publications/guide/october-2015
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♩10/02 ECMニューシリーズから一挙に5タイトルリリース
ECMのニューシリーズからコンテンポラリー系の新作が5タイトル一挙にリリースされた。80歳のバースデー・リリースとなるジョージア出身のギヤ・カンチェリは彼の重要な二大作品の初録音でギドン・クレーメルとクレメターラ・バルチカの演奏(『キアロスキューロ』ECMNS2442)でECM12作目、スイスの作曲家/オーボエ奏者ハインツ・ホリガーの新作は14世紀のフランスの作曲家/詩人ギヨーム・ド・マショーに因んだ新作で10年をかけた労作。ヒリアード・アンサンブルと3人のヴィオラ奏者による録音(『マショー・トランスクリプチオーネ』ECM NS2224)。アメリカのコンテンポラリー・ピアニスト、アンソニー・デ・マーレの新作は、『ウェスト・サイド物語』など多くのアカデミー賞、グラミー賞を獲得した作詞家スティーヴン・ソンドハイムの作詞をヒントにスティーヴ・ライヒからフレデリック・ルツェウスキー、ウイントン・マルサリス、フレッド・ハーシュなどジャンルを横断する36人の作曲家に委嘱した新作を披露した異色作3枚組『リエゾンズ』(ECM2470-72)。ヴィオラ奏者キム・カシュカシャンの新作『ロスコ・チャペル』はモートン・フェルドマンの作品<ロスコ・チャペル>を中心にフェルドマンが影響を受けたジョン・ケージやエリック・サティを演奏したもの。ロスコ・チャペルはテキサス州ヒューストンに実在する教会で20を世紀を代表する抽象画家マーク・ロスコの作品で有名(ECM2378)。2012年リリースのアルバム『G.I.グルジェフの音楽』(ECM2236)で大きな成果を得たアルメニアのレヴォン・エスケニアン率いる「グルジェフ・アンサンブル」による新作。新作ではアルメニアのコンテンポラリー・ミュージックの祖といわれるコミタス・ヴァルダペット(1869-1935) の作品を取り上げている(『コミタス』ECM2451)。グルジェフ・アンサンブルは10人編成でデュデュク他フォーク楽器を中心に編成されたユニークなアンサンブル。
ECM Player;
http://player.ecmrecords.com/kancheli-2442
http://player.ecmrecords.com/holliger-2224
http://player.ecmrecords.com/sondheim-2470-72
http://player.ecmrecords.com/rothko-2378
http://player.ecmrecords.com/komitas-2451
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♩10/03“ジャズ・フェスの祖”ジョージ・ウェイン生誕90年を祝う
ニューポート・ジャズ・フェスティバルの創始者ジョージ・ウェイン(正確にはウィーン)が90歳の誕生日を祝った。ウェインは1925年ボストンの生まれ。ボストン大学の卒業生でピアニストとして活躍しながら、ホテル内にクラブ「ストーリーヴィル」をオープン、レーベルを立ち上げ、ビリー・ホリデイなどのアルバムを制作。 1954年、請われてロードアイランド州ニューポートでオープンエアのジャズ・フェスティバルを世界で初めて開始、世界で最も著名なジャズ・フェスに育て上げた。のち、スポンサーを獲得、冠フェスの嚆矢ともなった。“もっとも著名なジャズ代理人”“ジャズ界で演奏家以外でもっとも重要な人物”といわれ、2005年にNEAのジャズ・マスターに推挙された。(photo:courtesy of NPR)
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♩10/07 米「ダウンビート」誌10月号刊行
米「ダウンビート」誌10月号(Volume 82, Number 11)のカバーストーリーは、新作『Past Present』をリリースしたジョン・スコフィールド(g)と親友のジョー・ロヴァーノ(ts)。特集は他にアーロン・ディール(p)、ディ・ディ・ブリッジウォーター(vo)とエリック・フリーダランダー(cello)。ブラインドフォールド・テストハジョー・ロック(vib)、クラシック・インタヴューは1993年に行われたヒューバート・ロウズ(fl)。
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♩ 10/09〜30 AACM50周年記念フェスティバル
ムーハル・リチャード・エイブラムスを中心にシカゴのゲットーで活動を展開してきたAACM(創造的音楽家の進歩のための協会)が今年創立50周年を迎え、AACM NY支部が中心となりNYで記念フェスを展開中。マンハッタンのコミュニティ・チャーチを会場に毎週金曜日にAACMを代表するミュージシャンが順次出演している。
10/09
AACM 50TH ANNIVERSARY PANEL DISCUSSION
10/17
Wadada Leo Smith’s Sextet
Thurman Barker’s Quintet
10/24
George Lewis: Impromptus
Steve & Iqua Colson …“40 Years In the Moment”
10/30
Reggie Nicholson, percussion
AACM All Star Ensemble
詳細は;
http://aacm-newyork.com/events.html
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♩10/15 スウェーデンで「パット・メセニーの夕べ」
スウェーデンのアップサラで5日間にわたって開催された第12回アップサラ国際ギター・フェスティバルの最終日に設けられた「パット・メセニーの夕べ」で、メセニーがスウェーデンの若手トリオを組んだ他、ピカソ・ギターでソロを披露するなど大活躍した。パットとトリオを組んだのは20代そこそこのベースとドラムスのアグナス兄弟。トリオはジョビンの<ハウ・インセンティヴ>やオーネット・コールマン<ターナラウンド>の他、メセニーの<ブライト・サイズ・ライフ>などを演奏、大喝采を浴びた。フェスでは、ミニマリストのテリー・ライリーも出演、ライリーはキーボードで40人のギタリストと共演した。
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♩10/15 CMSがアーカイヴ・シリーズ第2作リリース
CMS(クリエイティヴ・ミュージック・スタジオ)が、その膨大なアーカイヴから重要な音源を公開するシリーズの第2弾『アーカイヴ・セレクションズ Vol.2』がリリースされる。第2弾は1973年から1984年のコンサートからジャズとワールド・ミュージックの演奏をCD3枚組に収録。ジャズでは貴重なオーケストラを指揮しながら演奏するドン・チェリーやカール・ベルガー、アンソニー・ブラクストン、マリリン・クリスペル、モーリス・マッキンタイヤー、リー・コニッツ、ポール・モチアン、CODONAなど。
[8.3.2015] Page Top >
♩10/16 ECM10月ジャズ新譜はトーマス・ストローネンの新作
ノルウェーのドラマー、トーマス・ストローネンの新作『A Blind Guide』は、新作のタイトルであるとともに、このアルバムでデビューするノルウェー+イギリス混合アコースティック・アンサンブルのバンド名でもある。ピアノとドラム以外は、ヴァイオリン、チェロ、コントラバスのストリングスとパーカッションというユニークな編成。注目すべきイギリスのピアニスト、キット・ダウンズがこのアルバムでECMデビューを果たす。
ECM Player:http://player.ecmrecords.com/stronen-2467
[8.3.2015] Page Top >
♩10/30 ブルー・エンジン・レコード発売開
ウィントン・マルサリスが音楽監督を務めるジャズ・アット・リンカーン・センターのライヴ・アーカイヴとスタジオ録音をリリースするブルー・エンジン・レコードが10月30日リリースを開始する。第1回リリースは、『ビッグバンド・ホリデイズ』で、<ジングル・ベル>や<ホワイト・クリスマス>を加えたクリスマス・アルバムで、ゲスト・ヴォーカルにルネ・マリーやセシル・マクローリン・サルヴァントが参加。CDの他に限定生産の180gアナログも同時発売。
[8.3.2015] Page Top >
♩11/10〜15 吉田野乃子が「ストーン」のレジデンシー・アーティストに
2006年夏から渡米、NY私立大学音楽家を卒業後、ジョン・ゾーンとの出会いから即興音楽や実験音楽に目覚めたサックス奏者吉田野乃子(本誌で「よしだののこのNY日誌」を連載中。“SSSS (Super Seaweed Sex Scandal)や“Pet Bottle Ningen (ペットボトル人間)”、“PAK”での活動を通してその成果を披露してきたが、11月10日から6夜にわたって、NYアヴァンギャルドの聖地、ザ・ストーンでキュレーションを委任されるレジデンシー・アーティストを務めることが決定し、いよいよその真価が問われることに。
[8.3.2015] Page Top >
追悼特集
ポール・ブレイ Paul Bley
:
#1277『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』(ピットインレーベル) 望月由美
#1278『David Gilmore / Energies Of Change』(Evolutionary Music) 常盤武
#1279『William Hooker / LIGHT. The Early Years 1975-1989』(NoBusiness Records) 斎藤聡
#1280『Chris Pitsiokos, Noah Punkt, Philipp Scholz / Protean Reality』(Clean Feed) 剛田 武
#1281『Gabriel Vicens / Days』(Inner Circle Music) マイケル・ホプキンス
#1282『Chris Pitsiokos,Noah Punkt,Philipp Scholtz / Protean Reality』 (Clean Feed) ブルース・リー・ギャランター
#1283『Nakama/Before the Storm』(Nakama Records) 細田政嗣
:
JAZZ RIGHT NOW - Report from New York
今ここにあるリアル・ジャズ − ニューヨークからのレポート
by シスコ・ブラッドリー Cisco Bradley,剛田武 Takeshi Goda, 齊藤聡 Akira Saito & 蓮見令麻 Rema Hasumi
#10 Contents
・トランスワールド・コネクション 剛田武
・連載第10回:ニューヨーク・シーン最新ライヴ・レポート&リリース情報
シスコ・ブラッドリー
・ニューヨーク:変容する「ジャズ」のいま
第1回 伝統と前衛をつなぐ声 − アナイス・マヴィエル 蓮見令麻
音の見える風景
「Chapter 42 川嶋哲郎」望月由美
カンサス・シティの人と音楽
#47. チャック・へディックス氏との“オーニソロジー”:チャーリー・パーカー・ヒストリカル・ツアー 〈Part 2〉 竹村洋子
及川公生の聴きどころチェック
#263 『大友良英スペシャルビッグバンド/ライヴ・アット・新宿ピットイン』 (Pit Inn Music)
#264 『ジョルジュ・ケイジョ 千葉広樹 町田良夫/ルミナント』 (Amorfon)
#265 『中村照夫ライジング・サン・バンド/NY Groove』 (Ratspack)
#266 『ニコライ・ヘス・トリオfeat. マリリン・マズール/ラプソディ〜ハンマースホイの印象』 (Cloud)
#267 『ポール・ブレイ/オープン、トゥ・ラヴ』 (ECM/ユニバーサルミュージック)
オスロに学ぶ
Vol.27「Nakama Records」田中鮎美
ヒロ・ホンシュクの楽曲解説
#4『Paul Bley /Bebop BeBop BeBop BeBop』 (Steeple Chase)
:
#70 (Archive) ポール・ブレイ (Part 1) 須藤伸義
#71 (Archive) ポール・ブレイ (Part 2) 須藤伸義
:
#871「コジマサナエ=橋爪亮督=大野こうじ New Year Special Live!!!」平井康嗣
#872「そのようにきこえるなにものか Things to Hear - Just As」安藤誠
#873「デヴィッド・サンボーン」神野秀雄
#874「マーク・ジュリアナ・ジャズ・カルテット」神野秀雄
#875「ノーマ・ウィンストン・トリオ」神野秀雄
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